こんにちは、華珠,です。
今回は【脱水】についてみていきましょう。
【脱水】は、老年症候群として扱われる病態の一つです。
高齢者の健康と生活を理解する上で重要な概念であり、介護福祉士国家試験やケアマネ試験、社会福祉士国家試験でも頻出のテーマです。出題傾向としては、以下の点が挙げられます。
国家試験における出題傾向
国家試験では、脱水に関する問題は、主に以下の観点から出題されます。
脱水の原因と症状
脱水の予防策
脱水のリスクが高い人
脱水と他の疾患との関連
脱水のケア
介護福祉士国家試験では、主に発達と老化の理解の分野
社会福祉士国家試験では、主に人体の構造と機能及び疾病の分野
ケアマネ試験では、主に保健医療サービス分野
で出題されています。
ではまず、介護福祉士国家試験の過去問題からです。
最初からわからなくても当然という気持ちで挑戦してみましょう。
ただ解説を読むよりも、考えることで、記憶に残りやすくなりますよ!
過去問題に挑戦
介護福祉士国家試験 第35回 問38
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 若年者よりも口渇感を感じやすい。
2 体内水分量は若年者よりも多い。
3 起立時に血圧が上がりやすくなる。
4 下痢が原因となることはまれである。
5 体重が減ることがある。
正答 5
続いて、社会福祉士国家試験の問題を見てみましょう。
社会福祉士試験 第32回 問2
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 体全体の水分量は、若年者と変わらない。
2 喉の渇きを感じやすいため、脱水になりにくい。
3 1日の水分摂取量は、若年者より多い。
4 降圧利尿薬の服用は、脱水の原因にならない。
5 腎臓による水の再吸収能力が、低下している。
正答 5
つづけてケアマネ試験の過去問題を2問見てみましょう。
脱水以外の知識も問われているので難しいと思いますが
挑戦だけでもしてみましょう。
ケアマネジャー試験 第25回 問38
次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、すぐには元に戻らない場合は、脱水を疑う。
2 薬の服用時間における食間とは、食事中に服用することである。
3 言葉が出てこない、又はろれつが回らないという症状が突然生じた場合は、脳卒中の可能性がある。
4 転倒による頭部打撲後、すぐに意識障害が起こらなければ問題はない。
5 前立腺肥大症の場合、尿意を感じたら、早めにトイレに行くよう心がける。
正答 1,3,5
ケアマネジャー試験 第24回 問26
高齢者にみられる疾病・病態について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 薬疹は、薬剤服用後1~2か月で出ることが多い。
2 高齢者の肺炎は、再発・再燃を繰り返して難治化することがある。
3 白内障は、水晶体の混濁により視力低下をきたす。
4 脱水があっても、めまいやふらつきは生じない。
5 ナトリウムが欠乏していても、嘔気や頭痛などの自覚症状がないこともある。
正答 2、3、5
過去問題にふれてみたところで、脱水の概要についてみていきましょう!
脱水とは?
脱水とは、体内の水分が不足している状態です。高齢者にとっては、特に注意すべき状態であり、介護の現場でも頻繁に遭遇する問題です。
脱水が起こる原因

水分摂取量の減少
年齢とともに喉の渇きを感じにくくなる、食事量が減る、などが原因。水分喪失量の増加
発熱、下痢、嘔吐、多汗などにより体内の水分が失われる。腎機能の低下
腎臓の働きが低下すると、水分を適切に保持できなくなる。薬剤の影響
利尿作用のある薬剤などが原因となる場合もある。
脱水の症状
脱水の症状にはどんなものがあるのでしょうか?

自覚症状
立ちくらみ
食欲不振
頭痛
嘔気
下痢
全身倦怠感 など
他覚症状
目のくぼみ
舌の乾燥、皮膚の乾燥
尿量減少
体重減少
低血圧(特に起立性低血圧)
頻脈(1分間に100回以上)
ADLの低下 など
が見られます。
脱水のリスクが高い人

高齢者
認知症の人
寝たきり状態の人
発熱している人
下痢や嘔吐を繰り返している人
利尿剤を服用している人
脱水の概要を把握できたところで、過去問題に再挑戦してみましょう!
過去問題に再挑戦
介護福祉士国家試験 第35回 問38
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 若年者よりも口渇感を感じやすい。
2 体内水分量は若年者よりも多い。
3 起立時に血圧が上がりやすくなる。
4 下痢が原因となることはまれである。
5 体重が減ることがある。
正答 5
高齢者は、若年者と比べて体内の水分量が少なく、のどが渇いたと感じにくいため、脱水になりやすいです。
水分が不足すると、体重減少や血圧低下、意識混濁などの症状が現れることがあります。
下痢や発汗などにより、体から水分が失われると、脱水症状が悪化することがあります。
続いて、社会福祉士国家試験の問題を見てみましょう。
社会福祉士試験 第32回 問2
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 体全体の水分量は、若年者と変わらない。
2 喉の渇きを感じやすいため、脱水になりにくい。
3 1日の水分摂取量は、若年者より多い。
4 降圧利尿薬の服用は、脱水の原因にならない。
5 腎臓による水の再吸収能力が、低下している。
正答 5
高齢者は、腎臓の働きが低下し、体内の水分を再吸収する能力が弱まるため、脱水になりやすいです。
また、喉の渇きを感じにくい、薬の副作用など、様々な要因が重なり、脱水のリスクが高まります。
そのため、高齢者にはこまめな水分補給が重要です。
つづけてケアマネ試験の過去問題を2問見てみましょう。
脱水以外の知識も問われているので難しいと思いますが
ここでは、脱水に関する選択肢の正誤がわかるだけでも大丈夫です!
ケアマネジャー試験 第25回 問38
次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、すぐには元に戻らない場合は、脱水を疑う。
2 薬の服用時間における食間とは、食事中に服用することである。
3 言葉が出てこない、又はろれつが回らないという症状が突然生じた場合は、脳卒中の可能性がある。
4 転倒による頭部打撲後、すぐに意識障害が起こらなければ問題はない。
5 前立腺肥大症の場合、尿意を感じたら、早めにトイレに行くよう心がける。
正答 1,3,5
1. 手の甲の皮膚をつまみ上げて離したとき、すぐには元に戻らない場合は、脱水を疑う。
脱水になると、皮膚の弾力性が低下し、このような症状が出ることがあります。3. 言葉が出てこない、又はろれつが回らないという症状が突然生じた場合は、脳卒中の可能性がある。
これは脳卒中の典型的な症状の一つです。5. 前立腺肥大症の場合、尿意を感じたら、早めにトイレに行くよう心がける。
前立腺肥大症では、尿意を感じたらすぐにトイレに行くことが大切です。我慢すると尿路感染症などを引き起こす可能性があります。
誤答の解説
2. 薬の服用時間における食間とは、食事中に服用することである。→誤り
食間とは、食事と食事の間という意味です。4. 転倒による頭部打撲後、すぐに意識障害が起こらなければ問題はない。→誤り
頭部打撲後、数時間後に症状が悪化するケースもあります。
ケアマネジャー試験 第24回 問26
高齢者にみられる疾病・病態について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 薬疹は、薬剤服用後1~2か月で出ることが多い。
2 高齢者の肺炎は、再発・再燃を繰り返して難治化することがある。
3 白内障は、水晶体の混濁により視力低下をきたす。
4 脱水があっても、めまいやふらつきは生じない。
5 ナトリウムが欠乏していても、嘔気や頭痛などの自覚症状がないこともある。
正答 2、3、5
2. 高齢者の肺炎は、再発・再燃を繰り返して難治化することがある。
高齢者は免疫力が低下しているため、肺炎になりやすく、一度かかると治癒に時間がかかり、再発を繰り返すことがあります。3. 白内障は、水晶体の混濁により視力低下をきたす。
白内障は、水晶体というレンズの役割をする部分が白く濁り、視界がぼやける病気です。5. ナトリウムが欠乏していても、嘔気や頭痛などの自覚症状がないこともある。
高齢者は、ナトリウム欠乏の自覚症状が鈍い場合があります。特に、認知症がある場合は、自覚症状が全くないこともあります。
誤答の解説
1. 薬疹は、薬剤服用後1~2か月で出ることが多い。→誤り
薬疹は、薬剤服用後、数分から数時間、まれに数日〜数週間後に発疹が出ることがあります。4. 脱水があっても、めまいやふらつきは生じない。→誤り
脱水になると、血圧が低下し、脳への血流が不足するため、めまいやふらつきが生じることがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
国家試験では、脱水に関する基礎知識だけでなく、実際の介護場面での対応力が問われます。
脱水は、高齢者の健康状態を悪化させる要因の一つです。
介護の現場では、脱水の早期発見と適切なケアが求められます。
脱水と介護のポイント

水分摂取の促進
定期的に水分を摂取する習慣をつける、水分補給のタイミングを工夫するなど。食事の工夫
スープやゼリーなど、水分を多く含む食品を取り入れる。口腔ケア
口腔乾燥を防ぎ、飲み込みを促す。皮膚の保湿
皮膚の乾燥を防ぎ、水分蒸発を防ぐ。環境調整
室温を適切に保ち、涼しい環境で過ごす。
定期的な体重測定
体重減少は脱水のサインとなる場合があります。
その他
経口補水液
下痢や嘔吐による脱水の場合、経口補水液が有効な場合がある。点滴
重度の脱水の場合、点滴が必要となる場合がある。医療機関との連携
脱水の症状が疑われる場合は、早めに医療機関に相談する。
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