初学者向け【褥瘡】の基礎から応用まで!わかりやすく解説 3福祉士試験、ケアマネ試験受験者用【高齢者に起こりやすい症状】
こんにちは、華珠,です。
今回は【褥瘡】についてみていきましょう。
【褥瘡】は、老年症候群として扱われる病態の一つです。
褥瘡とは、「床ずれ」とも呼ばれるもので、長時間同じ体勢でいることで、皮膚が圧迫され、血流が悪くなり、組織が壊死してしまう状態です。
特に、寝たきりや車いす生活の高齢者に多くみられます。
高齢者の健康と生活を理解する上で重要な概念であり、介護福祉士国家試験やケアマネ試験、社会福祉士国家試験でも頻出のテーマです。出題傾向としては、以下の点が挙げられます。
国家試験における出題傾向
褥瘡の原因と危険因子
褥瘡の予防策
褥瘡の段階と特徴
褥瘡の治療法
褥瘡と関連する疾患
介護福祉士国家試験では、主に生活支援技術発達とこころとからだのしくみ
社会福祉士国家試験では、主に人体の構造と機能及び疾病の分野
ケアマネ試験では、主に保健医療サービス分野
で出題されています。
では、介護福祉士国家試験の問題から見ていきましょう!
最初からわからなくても当然という気持ちで挑戦してみましょう。
ただ解説を読むよりも、考えることで、記憶に残りやすくなりますよ!
過去問題に挑戦
介護福祉士国家試験 第35回 問23
褥瘡(じょくそう)の好発部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 側頭部
2 頸部(けいぶ)
3 腹部
4 仙骨部
5 足趾部(そくしぶ)
正答 4
続いて、ケアマネ試験の過去問題に2問挑戦してみましょう!
ケアマネジャー試験 第26回 問29
褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 しびれや麻痺は、原因となる。
2 細菌感染の原因となる。
3 寝たきりになると腹部にできやすい。
4 予防方法の一つに、栄養管理がある。
5 寝返りができない人に、体位変換は不要である。
正答 1,2,4
次は、褥瘡以外の知識についても問われますが、ちょっと挑戦してみましょう。
ケアマネジャー試験 第24回 問34
高齢者にみられる疾病・病態について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 誤嚥性肺炎の予防には、嚥下機能のみを維持すればよい。
2 大腿骨頸部骨折は、寝たきりの原因となりやすい。
3 薬の副作用によるふらつきにより、転倒を起こすことがある。
4 排泄物による皮膚の湿潤が加わることで、褥瘡が生じやすくなる。
5 褥瘡ができた直後から約1~2か月の時期を急性期と呼ぶ。
正答 2,3,4
ケアマネジャー試験 第23回 問32
褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。
褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。
半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。
発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。
同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、体圧分散用具を用いるとよい。
指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。
正答 1,3,4
ケアマネジャー試験 第20回 問34
褥瘡について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
エアーマット等の除圧効果のある予防用具を用いた場合には、体位変換を行う必要はない。
褥瘡の発生を促す全身性因子には、低栄養、知覚麻痺、意識障害、失禁などがある。
褥瘡がある場合には、症状が悪化するため、入浴は避ける。
褥瘡は、一般に感染を伴うことが多く、敗血症の原因となることもある。
再発や新たな部位への発生を予測するためには、褥瘡のリスクアセスメントを行うことが有効である。
正答 2,4,5
過去問題にふれてみたところで、【褥瘡】の概要についてみていきましょう!
褥瘡とは?

褥瘡とは、一般的に「床ずれ」とも呼ばれ、長時間同じ体勢でいることで、皮膚が圧迫され、血流が悪くなり、組織が壊死してしまう状態です。
特に、寝たきりや車いす生活の高齢者に多くみられます。
褥瘡の原因

圧迫
体重がかかり、血流が遮断されます摩擦
体を動かす際、皮膚がこすれて損傷します剪断力
体がずれ動くことで、皮膚が引き伸ばされ、損傷します湿潤
失禁、排泄物や汗などで皮膚が湿潤状態になり
皮膚がマセラションを起こします(皮膚がふやける)低栄養
タンパク質やビタミンなどの栄養不足貧血
血流が悪化し、組織への酸素供給が低下します糖尿病
神経障害や末梢循環障害を伴い、治癒が遅れますステロイド剤の使用
皮膚が薄くなり、抵抗力が低下する麻痺・認知症
自分で動くことができない、皮膚の圧迫に気付かない
褥瘡の発生しやすい部位は?

仙骨部
尾骨部
踵
大転子
肘
後頭部
肩甲骨
くるぶし
肩
などの、骨が突出している箇所の圧迫におり
褥瘡ができやすくなります。
褥瘡の段階

褥瘡は、深さや広がりによってⅠ度からⅣ度に分類されます。
Ⅰ度: 皮膚が赤くなり、白く戻らない
Ⅱ度: 表皮、真皮の一部が失われ、浅い潰瘍ができる
Ⅲ度: 皮下組織まで達する潰瘍
Ⅳ度: 筋肉、骨まで達する潰瘍
褥瘡の影響は?

痛み
患部に痛みを感じ、QOLの低下につながります感染
傷口から細菌感染を起こし、敗血症に至る可能性もあります入院期間の長期化
治療に時間がかかり、入院期間が長くなることがあります死亡率の増加
重症の褥瘡は、死亡率を高めることもあります
褥瘡の予防

体位変換
2時間ごとの体位変換皮膚の清拭
汚れや汗をこまめに拭き取る
医師の指示のもと入浴も可能です。栄養管理
タンパク質、ビタミンを十分に摂取床ずれ予防用具の使用
エアマットレス、体位変換器など
※エアマットレスを導入しても
体位交換をしなくてもよいわけではないです。皮膚の保湿
皮膚を乾燥させない圧迫の軽減
身体と床面の間にクッションを置く
また、家族や介護者への支援や
保健医療福祉サービスとの連携も必要になります。
褥瘡の治療

原因となる要因の除去
圧迫、摩擦、剪断力を取り除く創傷の洗浄
清潔な状態で保つ
医師の指示のもと入浴も可能です。創傷被覆材の選択
湿潤療法など、適切な被覆材を選択する栄養管理
タンパク質、ビタミンを十分に摂取薬物療法
感染があれば抗生剤などを投与
褥瘡の概要にいついて把握できたところで、過去問題に再挑戦してみましょう!きっと全問正解できますよ!
過去問題に挑戦
介護福祉士国家試験 第35回 問23
褥瘡(じょくそう)の好発部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 側頭部
2 頸部(けいぶ)
3 腹部
4 仙骨部
5 足趾部(そくしぶ)

正答 4
褥瘡は、長時間同じ体勢でいることで、皮膚が圧迫され、血流が悪くなり、組織が壊死してしまう状態です。
特に、骨が突出している部位にできやすく、仙骨部は、寝ているときに体重がかかりやすく、褥瘡ができやすい部位として知られています。
他の選択肢
側頭部、頸部、腹部
これらの部位は、通常、体重がかかりにくいため、褥瘡ができにくい部位です。足趾部
足趾部は、靴ずれなどの可能性はありますが、褥瘡の好発部位ではありません。
続いて、ケアマネ試験の過去問題に4問挑戦してみましょう!
ケアマネジャー試験 第26回 問29
褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 しびれや麻痺は、原因となる。
2 細菌感染の原因となる。
3 寝たきりになると腹部にできやすい。
4 予防方法の一つに、栄養管理がある。
5 寝返りができない人に、体位変換は不要である。

正答 1,2,4
1. しびれや麻痺は、原因となる
感覚が鈍くなると、褥瘡に気づきにくくなり、悪化しやすくなります。2. 細菌感染の原因となる
褥瘡は、皮膚の傷口であり、細菌感染を起こしやすくなります。4. 予防方法の一つに、栄養管理がある
タンパク質やビタミンなどの栄養不足は、皮膚の抵抗力を低下させ、褥瘡になりやすくなります。
誤答の解説

3. 寝たきりになると腹部にできやすい
誤り
褥瘡は、体重がかかりやすい仙骨部や尾骨部、肘、踵などにできやすいです。腹部は、骨が突出しておらず、比較的褥瘡ができにくい部位です。5. 寝返りができない人に、体位変換は不要である
誤り
寝返りができない人は、特に褥瘡のリスクが高いため、定期的な体位変換が必須です。
次は、褥瘡以外の知識についても問われますが、ちょっと挑戦してみましょう。
ケアマネジャー試験 第24回 問34
高齢者にみられる疾病・病態について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 誤嚥性肺炎の予防には、嚥下機能のみを維持すればよい。
2 大腿骨頸部骨折は、寝たきりの原因となりやすい。
3 薬の副作用によるふらつきにより、転倒を起こすことがある。
4 排泄物による皮膚の湿潤が加わることで、褥瘡が生じやすくなる。
5 褥瘡ができた直後から約1~2か月の時期を急性期と呼ぶ。
正

答 2,3,4
2. 大腿骨頸部骨折は、寝たきりの原因となりやすい。
高齢者の大腿骨頸部骨折は、手術や長期の臥床が必要となり、寝たきり状態になるリスクが高いです。3. 薬の副作用によるふらつきにより、転倒を起こすことがある。
特に高齢者は、複数の薬を服用していることが多く、薬の副作用によってふらつきが生じ、転倒につながるリスクが高まります。4. 排泄物による皮膚の湿潤が加わることで、褥瘡が生じやすくなる。
排泄物の刺激や皮膚の湿潤は、褥瘡の原因の一つです。
誤答の解説
1. 誤嚥性肺炎の予防には、嚥下機能のみを維持すればよい。
誤り
嚥下機能だけでなく、口腔ケアや食事の形態なども重要です。
5. 褥瘡ができた直後から約1~2か月の時期を急性期と呼ぶ。
誤り
褥瘡の経過は、急性期、亜急性期、慢性期に分けられますが
1~2か月で急性期が終わるとは限りません。
ケアマネジャー試験 第23回 問32
褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。
2 半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。
3 発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。
4 同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、体圧分散用具を用いるとよい。
5 指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。
正答 1,3,4
1. 褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。
これは褥瘡の定義そのもので、正しい記述です。3. 発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。
病気や加齢によって、皮膚や組織の抵抗力が低下し、褥瘡になりやすくなります。4. 同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、体圧分散用具を用いるとよい。
体圧分散用具は、体圧を分散させることで、褥瘡の予防に有効です。
誤答の解説
2. 半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。
誤り
肩甲骨部も、体圧がかかりやすく、褥瘡が発生する可能性のある部位です。5. 指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。
誤り
褥瘡マネジメント加算は、褥瘡の予防や治療に力を入れている施設に対して算定されるものであり、指定介護老人福祉施設でも算定可能です。
ケアマネジャー試験 第20回 問34
褥瘡について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 エアーマット等の除圧効果のある予防用具を用いた場合には、体位変換を行う必要はない。
2 褥瘡の発生を促す全身性因子には、低栄養、知覚麻痺、意識障害、失禁などがある。
3 褥瘡がある場合には、症状が悪化するため、入浴は避ける。
4 褥瘡は、一般に感染を伴うことが多く、敗血症の原因となることもある。
5 再発や新たな部位への発生を予測するためには、褥瘡のリスクアセスメントを行うことが有効である。
正答 2,4,5

2. 褥瘡の発生を促す全身性因子には、低栄養、知覚麻痺、意識障害、失禁などがある。
これらの状態は、皮膚の抵抗力を低下させ、褥瘡のリスクを高めます。4. 褥瘡は、一般に感染を伴うことが多く、敗血症の原因となることもある。
褥瘡は、細菌感染を起こしやすく、重症化すると敗血症を引き起こす可能性があります。5. 再発や新たな部位への発生を予測するためには、褥瘡のリスクアセスメントを行うことが有効である。
リスクアセスメントを行うことで、褥瘡になりやすい人を早期に特定し、予防策を講じることができます。
誤答の解説

1. エアーマット等の除圧効果のある予防用具を用いた場合には、体位変換を行う必要はない。
誤り
体圧分散用具は褥瘡予防に有効ですが、体位変換と併用することで、より効果的に褥瘡を予防できます。3. 褥瘡がある場合には、症状が悪化するため、入浴は避ける。
誤り
褥瘡があっても、医師や看護師の指示のもと、適切な方法で入浴を行うことは可能です。
過去問題にふれてみたところで、【褥瘡】の概要についてみていきましょう!
まとめ
褥瘡は、早期発見と適切なケアが重要です。介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーは、褥瘡の予防と治療に関する知識を習得し、利用者のQOL向上に貢献することが求められます。


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