【初学者向け】低栄養の基礎から応用まで!わかりやすく解説 3福祉士試験、ケアマネ試験受験者用【高齢者に起こりやすい症状】
こんにちは、華珠,です。
今回は【低栄養】についてみていきましょう。
【低栄養】は、老年症候群として扱われる病態の一つです。
高齢者の健康と生活を理解する上で重要な概念であり、介護福祉士国家試験やケアマネ試験、社会福祉士国家試験でも頻出のテーマです。出題傾向としては、以下の点が挙げられます。
国家試験における出題傾向
低栄養の原因と症状
低栄養のリスクが高い人
低栄養の影響
低栄養の予防と対策
低栄養と関連する疾患
介護福祉士国家試験では、主に生活支援技術発達と老化の理解の分野
社会福祉士国家試験では、主に人体の構造と機能及び疾病の分野
ケアマネ試験では、主に保健医療サービス分野
で出題されています。
過去問題に挑戦!
ではまず、介護福祉士国家試験の過去問題からです。
最初からわからなくても当然という気持ちで挑戦してみましょう。
ただ解説を読むよりも、考えることで、記憶に残りやすくなりますよ!
介護福祉士国家試験 第31回 問46
たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:Protein Energy Malnutrition)が疑われる状況として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 要介護度が改善した。
2 1か月に3%以上の体重減少があった。
3 体格指数(BMI)が25.0以上になった。
4 低血圧症状が現れた。
5 声が枯れるようになった。
正答 2
続いて、ケアマネジャー試験に3問挑戦してみましょう。
ケアマネジャー試験 第27回 問32
栄養と食事について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 体重測定は,栄養状態を把握するために有用である。
2 低栄養を予防するためには,摂取するエネルギー量を減らす。
3 水を飲んでむせる場合は,汁物やお茶に適度なとろみをつけることも一つの方法である。
4 スプーンはできるだけ深く大きいものとし,1回量を多くすることで食事の所要時間を短くする。
5 配食サービスは,栄養改善の目的だけでなく,一人暮らし高齢者の見守りとしても活用できる。
正答 1,3,5
ケアマネジャー試験 第26回 問35
高齢者の栄養・食生活について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 低栄養状態では、筋力の低下により転倒しやすい。
2 男性では、加齢とともに低栄養傾向の者の割合は減少する。
3 骨粗鬆症予防には、アルコールを摂取することが大切である。
4 使用している薬剤によっては、摂取してはならない食品がある。
5 一方的な指導ではなく、双方向的なコミュニケーションを重視した相談の場を設ける。
正答 1,4,5
ケアマネジャー試験 第24回 問35
栄養に関するアセスメントについて正しいものはどれか。3つ選べ。
1 高齢者は、若年者に比べてエネルギー摂取量が少ないことを当然の前提とする。
2 低栄養状態の徴候には、筋肉量の減少、血清たんぱく質の減少などがある。
3 低栄養状態は、フレイルや要介護状態の要因の一つである。
4 認知症高齢者については、異食、盗食などの摂食行動の有無を把握する。
5 高齢者の摂食・嚥下障害は、栄養過多を引き起こすおそれがある。
正答 2、3、4
過去問題にふれてみたところで、低栄養の概要についてみていきましょう!
低栄養とは?

低栄養とは、身体に必要なエネルギーや栄養素(タンパク質)が不足している状態です。
特に高齢者では、消化吸収機能の低下や、食欲の低下、噛む力が弱くなるなどの口腔機能の低下により食事が食べにくくなるといった理由から徐々に食事量が減り
身体を動かすために必要なエネルギーや、筋肉、皮膚、内臓など体をつくるたんぱく質などの栄養が不足している状態のことをいいます。
低栄養の原因は?

低栄養の原因には次のものが考えられます。
食欲の低下
加齢による味覚の変化、病気、孤独感などが原因消化吸収機能の低下
加齢による酵素の分泌量減少、腸の蠕動運動の遅延、糖尿病や甲状腺機能低下口腔機能の低下
歯の喪失、入れ歯の不適合、飲み込みの困難病気
がん、慢性腎臓病、心不全など薬の副作用
食欲不振、味覚の変化経済的な問題
食費の不足
などがあげられます。
低栄養の影響は?

筋肉量の減少
筋力低下、歩行困難、転倒リスク増加免疫力の低下
感染症にかかりやすくなる褥瘡(床ずれ)のリスク増加
皮膚の抵抗力が低下骨折のリスク増加
骨密度が低下認知機能の低下
集中力の低下、記憶力の低下入院期間の長期化
回復が遅れる
低栄養のチェックポイントは?

体重:1ヶ月で2から3kg以上減っている、BMIが20%以下
食欲:最近食欲がない、食事量が減っている
口腔:歯がほとんどない、入れ歯が合わない
全身状態:疲れやすい、だるい、元気がない
皮膚:乾燥している、傷が治りにくい
筋肉:痩せている、筋力が低下している
検査値:血清アルブミン値の減少(肝臓で合成されるタンパク質)
がチェックポイントとなり、低栄養かどうかを判断する指標になります。
低栄養と関連する疾患

など老年症候群の様々な要因となります。
低栄養の予防と対策は?

バランスの取れた食事
三食規則正しく、様々な食品をバランスよく食べる口腔ケア
歯の清掃、入れ歯の管理栄養補助食品
医師や栄養士の指導のもと、栄養補助食品を利用する食事の環境整備
明るく清潔な場所で、ゆっくりと食事をする運動
体力維持のために、適度な運動を行う宅配サービスの利用
管理栄養士が監修した栄養バランスに配慮した食事が提供されるものがあり、噛む力や飲み込む力に合わせて、介護食に対応しているものもあります。
予防と対策は、一方的な指導ではなく、双方向的なコミュニケーションを重視することが重要です。
過去問題に再挑戦
では、概要を把握できたところで、過去問題に再挑戦してみましょう!
介護福祉士国家試験 第31回 問46
たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM:Protein Energy Malnutrition)が疑われる状況として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 要介護度が改善した。
2 1か月に3%以上の体重減少があった。
3 体格指数(BMI)が25.0以上になった。
4 低血圧症状が現れた。
5 声が枯れるようになった。
正答 2
たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PEM)は、必要なタンパク質やエネルギーが不足している状態です。この状態になると、体重が減るのが特徴的です。特に、1ヶ月で3%以上の体重減少は、PEMを強く疑うべきサインとなります。
他の選択肢について
1:要介護度が改善すると、体重が増加する可能性があります。
3:BMIが25.0以上は、むしろ肥満気味を示します。
4, 5:低血圧や声が枯れることは、PEMの症状として必ずしも現れるわけではありません。
続いて、ケアマネジャー試験に3問挑戦してみましょう。
ケアマネジャー試験 第27回 問32
栄養と食事について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 体重測定は,栄養状態を把握するために有用である。
2 低栄養を予防するためには,摂取するエネルギー量を減らす。
3 水を飲んでむせる場合は,汁物やお茶に適度なとろみをつけることも一つの方法である。
4 スプーンはできるだけ深く大きいものとし,1回量を多くすることで食事の所要時間を短くする。
5 配食サービスは,栄養改善の目的だけでなく,一人暮らし高齢者の見守りとしても活用できる。
正答 1,3,5
1. 体重測定は,栄養状態を把握するために有用である。
体重は、栄養状態を把握する上で最も基本的な指標です。
体重減少は、低栄養のサインとなることがあります。
3. 水を飲んでむせる場合は,汁物やお茶に適度なとろみをつけることも一つの方法である。
飲み込む力が弱っている場合
とろみをつけることで誤嚥のリスクを減らし、食事を楽しめるようにすることができます。
5. 配食サービスは,栄養改善の目的だけでなく,一人暮らし高齢者の見守りとしても活用できる。
配食サービスを利用することで、栄養状態の確認や、利用者の安否確認を行うことができます。
誤答の解説
2. 低栄養を予防するためには,摂取するエネルギー量を減らす。
低栄養予防には、むしろエネルギー量の増加が求められます。4. スプーンはできるだけ深く大きいものとし,1回量を多くすることで食事の所要時間を短くする。
一口量が大きすぎると、誤嚥のリスクが高まります。スプーンは小さめで、一口量を少なくすることが大切です。
ケアマネジャー試験 第26回 問35
高齢者の栄養・食生活について適切なものはどれか。3つ選べ。
1 低栄養状態では、筋力の低下により転倒しやすい。
2 男性では、加齢とともに低栄養傾向の者の割合は減少する。
3 骨粗鬆症予防には、アルコールを摂取することが大切である。
4 使用している薬剤によっては、摂取してはならない食品がある。
5 一方的な指導ではなく、双方向的なコミュニケーションを重視した相談の場を設ける。
正答 1,4,5
1. 低栄養状態では、筋力の低下により転倒しやすい。
低栄養になると筋肉量が減り、筋力が低下するため、転倒しやすくなります。
4. 使用している薬剤によっては、摂取してはならない食品がある。
一部の薬剤は、特定の食品との相互作用により、効果が弱まったり、副作用が出ることがあります。
5. 一方的な指導ではなく、双方向的なコミュニケーションを重視した相談の場を設ける。
食事に関する相談では、利用者の食習慣や好みを考慮し、双方向のコミュニケーションが大切です。
誤答の解説
2. 男性では、加齢とともに低栄養傾向の者の割合は減少する。:一般的に、高齢者では女性よりも男性の方が低栄養になりやすい傾向があります。
3. 骨粗鬆症予防には、アルコールを摂取することが大切である。:アルコールは、骨を弱める作用があるため、骨粗鬆症予防には控えるべきです。
ケアマネジャー試験 第24回 問35
栄養に関するアセスメントについて正しいものはどれか。3つ選べ。
1 高齢者は、若年者に比べてエネルギー摂取量が少ないことを当然の前提とする。
2 低栄養状態の徴候には、筋肉量の減少、血清たんぱく質の減少などがある。
3 低栄養状態は、フレイルや要介護状態の要因の一つである。
4 認知症高齢者については、異食、盗食などの摂食行動の有無を把握する。
5 高齢者の摂食・嚥下障害は、栄養過多を引き起こすおそれがある。
正答 2、3、4
2. 低栄養状態の徴候には、筋肉量の減少、血清たんぱく質の減少などがある。
低栄養状態になると、筋肉量が減少し、体力が低下したり、創傷が治りにくくなったりします。また、血中のタンパク質量も減少します。3. 低栄養状態は、フレイルや要介護状態の要因の一つである。
低栄養は、筋力低下、免疫力低下などを引き起こし、フレイルや要介護状態につながるリスクを高めます。4. 認知症高齢者については、異食、盗食などの摂食行動の有無を把握する。
認知症の高齢者では、異食や盗食といった異常な摂食行動がみられることがあります。
誤答の解説
1. 高齢者は、若年者に比べてエネルギー摂取量が少ないことを当然の前提とする。
高齢者のエネルギー摂取量は、個人差が大きく、一概に少ないとは言えませんが、一般的には高齢者の方がエネルギー摂取量は少ないです。5. 高齢者の摂食・嚥下障害は、栄養過多を引き起こすおそれがある。
摂食・嚥下障害があると、十分な栄養が摂取できず、むしろ低栄養のリスクが高まります。
まとめ
低栄養は、高齢者の健康状態を悪化させる要因の一つです。
早期に発見し、適切な栄養管理を行うことで、低栄養による合併症を予防し、QOLの向上につながります。
そのため、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーは、高齢者の低栄養に気づき、適切な支援を行うことが求められます。
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