こんにちは、華珠,です。今回は老年症候群の【フレイル】についてみていきましょう。
【フレイル】は、高齢者の健康と生活を理解する上で重要な概念であり、介護福祉士国家試験、社会福祉士国家試験やケアマネ試験でも頻出のテーマです。出題傾向としては、以下の点が挙げられます。
国家試験における出題傾向と対策
国家試験では、フレイルに関する問題は頻出です。
定義を問われる
フレイルの概念を正しく理解しているか。原因を問われる
フレイルを引き起こす要因を複数挙げることができるか。予防策を問われる
フレイルの予防策を具体的に説明できるか。介護保険との関連を問われる
介護保険におけるフレイル対策について説明できるか。
ではまず、社会福祉士国家試験の過去問題からです。
最初からわからなくても当然という気持ちで挑戦してみましょう。
だた、解説を読むよりも、考えることで、記憶に残りやすくなりますよ!
国家試験に挑戦
介護福祉士国家試験 第33回
総合問題 1
次の事例を読んで、問題114ついて答えなさい。
〔事例〕
Jさん(83歳、女性)は一人暮らしである。人と付き合うのが苦手で、近所付き合いもあまりなく、一人で静かに生活していた。
80歳を過ぎた頃から右膝に痛みが出て、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断されたが、近くのスーパーへの買い物や、近所の散歩には出かけていた。
1か月ほど前から膝の痛みが悪化し、散歩にも行かなくなった。食事量が減って痩せてきてしまい、1日中、座ってテレビを見て過ごしている。
問題114.
現在のJさんに心配される病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
フレイル(frailty)
不定愁訴
寛解
不穏
せん妄(delirium)
解答 1
続いて、ケアマネ試験の過去問題を見てみましょう。
少し難易度が上がります。
ケアマネジャー試験 令和4年度(第25回) 問39
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
健康日本21(第二次)では、健康寿命を延ばすことを目指している。
就労、ボランティアなどの社会参加は、フレイル予防に役立たない。
パーキンソン病の場合、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。
膝関節症による痛みや腫脹を抑えるには、定期的な運動が効果的である。
高齢者においては、無症状であっても骨粗鬆症の検査を受けることが推奨される。
解答1,4,5
では、続いて社会福祉士国家試験の過去問題。
もう少し難易度が上がりますよ。
社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 問97
事例を読んで、多職種連携の観点から、この時点でのT市の地域包括支援センターのB社会福祉士の対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
担当地区の民生委員のCさんより、一人暮らしのDさん( 80歳、男性)のことでT市の地域包括支援センターに相談の電話があった。Dさんは3か月ほど前に妻を亡くした後、閉じ籠もりがちとなり、十分な食事をとっていないようである。Dさんはこれまで要支援・要介護認定は受けていない。B社会福祉士がDさんの下を訪ねたところ、Dさんは受け答えはしっかりしていたが、体力が落ち、フレイルの状態に見受けられた。
法定後見制度の利用を検討するため、弁護士に助言を求める。
サロン活動の利用を検討するため、社会福祉協議会の福祉活動専門員に助言を求める。
日常生活自立支援事業の利用を検討するため、介護支援専門員に助言を求める。
介護老人福祉施設への入所を検討するため、医師に助言を求める。
栄養指導と配食サービスの利用を検討するため、管理栄養士に助言を求める。
正答3,5
フレイルを深堀り!国家試験対策に役立つ解説と図解
フレイルとは?

フレイル(Frailty)とは、高齢者において、筋力低下や体力低下、活動量の低下などが複合的に起こり、健康状態が脆弱になる状態を指します。
いわば、介護が必要な状態の一歩手前の状態であり、要介護状態への移行リスクが高まることが知られています。
フレイルの特徴

筋力の低下: 日常生活動作が困難になる
体力の低下: 疲れやすくなり、活動量が減少する
歩行速度の低下: 転倒のリスクが高まる
体重減少: 食欲不振や代謝低下により、体重が減る
疲労感: 日常生活を送る上で、常に疲労を感じている
この5つの特徴のうち、3つ以上あればフレイルとみなされます。
フレイルの原因

加齢
加齢に伴い、筋肉量が減少し、基礎代謝が低下するため、フレイルのリスクが高まります。栄養不足
タンパク質やエネルギーの不足は、筋肉量の低下を招きます。慢性疾患
高血圧、糖尿病、心不全などの慢性疾患は、フレイルのリスクを高める因子となります。身体活動量の低下
運動不足は、筋力の低下や体力の低下につながります。社会的な孤立
社会とのつながりが希薄になると、意欲の低下や孤独感から、活動量が減ってしまうことがあります。
フレイルとサルコペニアの違い

フレイルとよく似た言葉に「サルコペニア」があります。
サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量の減少を指し、フレイルの原因の一つとなります。
しかし、フレイルはサルコペニアだけでなく、体力低下、疲労感、体重減少など、複数の要因が複合的に絡み合って起こる状態を指します。
ここで介護福祉士国家試験の過去問題に再挑戦してみましょう。
介護福祉士国家試験 第33回 過去問題に再挑戦
総合問題 1
次の事例を読んで、問題114ついて答えなさい。
〔事例〕
Jさん(83歳、女性)は一人暮らしである。人と付き合うのが苦手で、近所付き合いもあまりなく、一人で静かに生活していた。
80歳を過ぎた頃から右膝に痛みが出て、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断されたが、近くのスーパーへの買い物や、近所の散歩には出かけていた。
1か月ほど前から膝の痛みが悪化し、散歩にも行かなくなった。食事量が減って痩せてきてしまい、1日中、座ってテレビを見て過ごしている。
問題114.
現在のJさんに心配される病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
フレイル(frailty)
不定愁訴
寛解
不穏
せん妄(delirium)

解答・解説
解答:1
フレイルは、介護が必要になる前の、心身が弱った状態です。
体力低下だけでなく、精神的な落ち込みや社会との繋がりの希薄化なども含まれます。健康な状態と要介護状態の中間の段階であり、早期の発見と対策が重要です。
フレイルの予防と対策

フレイルの予防には、以下の対策が有効です。
栄養管理
タンパク質を十分に摂取し、バランスの取れた食事を心がける。運動
筋力トレーニング、有酸素運動など、自分に合った運動を継続的に行う。社会参加
地域活動や趣味活動などを通じて、社会とのつながりを維持する。医療機関での定期的な健康チェック
早期に健康問題を発見し、適切な治療を受ける。
では次に、ケアマネ試験に再挑戦してみましょう。
ケアマネ試験 第25回 過去問題に再挑戦
ケアマネジャー試験 令和4年度(第25回) 問39
次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
健康日本21(第二次)では、健康寿命を延ばすことを目指している。
就労、ボランティアなどの社会参加は、フレイル予防に役立たない。
パーキンソン病の場合、転倒しやすいため、運動療法は禁忌である。
膝関節症による痛みや腫脹を抑えるには、定期的な運動が効果的である。
高齢者においては、無症状であっても骨粗鬆症の検査を受けることが推奨される。
解答・解説
解答1,4,5
健康日本21は健康寿命延伸を目指し、フレイル予防も重要視しています。
膝関節症には適度な運動が有効で、高齢者は骨粗鬆症の検査が大切です。
社会参加がフレイル予防に役立つことも知られています。
パーキンソン病の運動療法は禁忌ではありません。
フレイルと介護保険

介護保険では、フレイル状態にある人を対象とした予防サービスを提供しています。具体的には、運動療法、栄養指導、社会参加支援などが行われます。
では、社会福祉士国家試験の過去問題に再挑戦してみましょう
社会福祉士国家試験 第33回 過去問題に再挑戦
社会福祉士試験 第33回(令和2年度) 問97
事例を読んで、多職種連携の観点から、この時点でのT市の地域包括支援センターのB社会福祉士の対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
担当地区の民生委員のCさんより、一人暮らしのDさん( 80歳、男性)のことでT市の地域包括支援センターに相談の電話があった。Dさんは3か月ほど前に妻を亡くした後、閉じ籠もりがちとなり、十分な食事をとっていないようである。Dさんはこれまで要支援・要介護認定は受けていない。B社会福祉士がDさんの下を訪ねたところ、Dさんは受け答えはしっかりしていたが、体力が落ち、フレイルの状態に見受けられた。
法定後見制度の利用を検討するため、弁護士に助言を求める。
サロン活動の利用を検討するため、社会福祉協議会の福祉活動専門員に助言を求める。
日常生活自立支援事業の利用を検討するため、介護支援専門員に助言を求める。
介護老人福祉施設への入所を検討するため、医師に助言を求める。
栄養指導と配食サービスの利用を検討するため、管理栄養士に助言を求める。

解答・解説
正答3,5
Dさんは、社会参加と栄養改善が必要です。
そのため、サロン活動で孤立を防ぎ、栄養指導で健康状態を改善できます。
法定後見はまだ必要性はなく、施設入所は早すぎます。
また、介護支援専門員は要支援・要介護認定者対象なので、今回は不適切といえます。
理解度確認一問一答
正誤をお答えください
筋力の低下、体力の低下、歩行速度の低下、体重減少、疲労感
この5つの特徴のうち、3つ以上あればフレイルとみなされる。
解答 正しい
筋力の低下、体力の低下、歩行速度の低下、体重減少、疲労感
この5つの特徴のうち、3つ以上あればフレイルとみなされます。
まとめ
フレイルは、高齢者の健康状態を悪化させ、要介護状態へと移行させるリスクを高める重要な問題です。
介護福祉士として、フレイルの早期発見と予防に努めることが求められます。
介護福祉士の視点からのアドバイス

フレイルは、高齢者のQOLを低下させ、介護が必要となるリスクを高める重要な問題です。
介護福祉士は、利用者の状態をしっかりと観察し、フレイルの早期発見に努めることが大切です。
また、利用者や家族に対して、フレイル予防の重要性を伝え、具体的な支援を提供していくことが求められます。
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キーワード: フレイル、サルコペニア、介護予防、高齢者、健康寿命、QOL
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この解説が、あなたの国家試験対策に役立てば幸いです。
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